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腕が挙がりにくくなる
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猫背になることで、肩甲骨が全体的に前方へ偏位してしまいます。
その結果、肩甲骨の回転を必要とする動きを制限してしまうことになります。
前方から腕を挙げる動作には、肩甲骨が回転する動きが必要なのですが、その動きが制限されますので、充分に腕を挙上できなくなってしまうケースもあります。
これは、様々なスポーツや、腕を動かす動作をする際に、猫背ではダメ
な理由の一つです。(肺活量にも理由があります。)
「うまい人は姿勢が良い」というのは、その必要があるからなのです。
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腕が開きにくくなる
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右図のように、脇を閉じた姿勢で、腕を開く(肩関節の外旋)動作をする場合、理想的な姿勢では、肩甲骨を後方へ引く(内転する)と可動域が広くなります。
ところが、猫背のままだと、肩甲骨の後方移動(内転)が制限されますので、腕が開く範囲が制限されてしまいます。
例えば、野球・ゴルフ・テニスなど腕を振るような運動を繰り返す場合、猫背の姿勢ではテイクバックの範囲が小さくなりますので、パフォーマンスは落ちます。
また、そのようなコンディションでがんばって腕を振り動かしていると、肘や肩への負担が蓄積して、テニス肘や野球肘、肩のインピンジメント症候群などを引き起こす危険性があります。
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体が回転しにくくなる
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右図のように、体を回転させる場合、理想的な姿勢に比べて猫背では回旋できる可動域が小さくなります。
ここでの問題点としては、猫背によって体の回転が足りない分、首を回旋させるクセがつきますので、首への負担が大きくなるということです。
また、スポーツでは、ゴルフやテニスなど体を回転させる運動をおこなう際に、猫背では充分な回転力が得られませんので、ボールに勢いがつきにくい結果となります。
それでも勢いをつけようとがんばっていると、首以外にも、肘や肩あるいは腰への負担が蓄積して外傷を引き起こす危険性があります。 | |
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ストレートネックになる
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理想的な姿勢では、首の骨の配列は前方へやや湾曲しています。 この自然な湾曲を「生理的湾曲」といいますが、この湾曲があることによって首は頭部の重さをうまく分散させて支えています。とともに、歩行時などで足から伝わる衝撃が頭部におよぶのをやわらげています。
ところが猫背にしていると、この「生理的湾曲」が消失して「ストレートネック」と言われる状態になりがちです。
「ストレートネック」になりますと、首の骨は、頭部の重さを上手く分散させることができないために不安定になりますので、その分、首の周囲にある筋肉が
日常的に大きな負担を強いられることになります。 現在、「ストレートネック」は「頚椎椎間板ヘルニア」や「変形性頚椎症」の原因であるとの指摘もされています。
また、猫背によって必然的にアゴを前方に出した姿勢をとることから、
首周囲の筋肉がよく凝るようになりますので、頭痛、奥歯痛、目の疲れ、肩の凝り、腕のシビレなどを引き起こす危険性が出てきます。
ストレートネックにならないために気をつけるべき姿勢もご参考にしてください。
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腕のしびれが出やすい(胸郭出口症候群)
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猫背でいると、首や肩の周囲の筋肉が日常的に緊張したままになってしまいます。
この緊張したままになってしまった筋肉が原因で、隣接する神経や血管を圧迫してしまうことがよくあります。
右図のように、神経や血管が圧迫される部位によって傷病名が異なりますが、これらを総称して「胸郭出口症候群」といわれる症状の原因となります。
「胸郭出口症候群」に分類されるもの
1. 斜角筋症候群
2. 肋鎖症候群
3. 過外転症候群
| 「胸郭出口症候群」では、腕や手が冷たくなったり、しびれるといったといった症状がみられる場合もあります。 | |
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疲れやすくなる(肺の容量減少)
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呼吸をするとき、人の肺自体は動くことができないために、その周囲を取り囲む「肋骨」や「横隔膜」などを筋肉で動かすことで肺を大きくしたり小さくしたりして呼吸をしています。
「横隔膜」での呼吸を強調すると「腹式呼吸」。「肋骨」での呼吸を強調すると「胸式呼吸」となります。
では、「肋骨」での呼吸とはどのようなメカニズムなのでしょうか?
例えば、エアコンの風向きを調節する風向羽根のように、「肋骨」が挙上することで肺の容量が大きくなって息が吸い込まれ、「肋骨」が下がることで肺の容量が小さくなって息が吐き出されるのです(右図上)。
猫背になっていると、「肋骨」が挙がりにくくなり、肺の容量を大きくしにくいために、呼吸が浅くなる傾向があります(右図下)。
呼吸が浅くなるということは、体内へ酸素を取り込む量が少なくなるということになります。
その結果、階段の上り下りや、ちょっとした運動ですぐに息が切れたり、傷や疲労の回復に時間がかかったり、頭のキレが悪くなるといった影響が現れます。
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胸が垂れる
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猫背では、
肩(肩甲骨)が前方へ入ったままになってしまいます。
肩(肩甲骨)が前方へ入っていますと、
胸の皮膚に緩みが生じます。
女性であっても、男性であっても、皮膚に緩みがあると、重力に引かれて胸が垂れていきます。
例えば、左右で比較すると「片方の胸が下がっている。」という場合は、同じ側の肩(肩甲骨)が前へ出ている可能性があります。 | |
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腰痛を引き起こしやすくなる
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猫背では、胸部の背骨(胸椎)の並びが、過剰に後ろへ湾曲しています。理想的な姿勢でも、胸部の背骨(胸椎)は少し後ろへ湾曲していて、直立する為のバランスをとっていますが、猫背のように湾曲が過剰になると、このバランスがとりにくくなります。
それでも人の身体は直立する為にバランスをとろうと、他の部位が代償的にその役割を担います。腰部で代償されると、腰の高さの背骨(腰椎)が前方への湾曲が過剰になったり、後方へ湾曲してしまう場合もあります
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理想的な姿勢での腰椎は前方へ少し湾曲しているものなのですが、この理想的な湾曲が崩れてしまうと様々な腰のトラブルを引き起こします。
たとえば、腰椎椎間板ヘルニア 、 腰部脊柱管狭窄症、筋々膜性腰痛などが挙げられます。 | |
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圧迫骨折しやすくなる
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日常的に猫背にしていると、身体の各部が猫背を保つように調整されます。
背骨を丸くした状態では、肩甲骨が前方へスライドするため、腕が前下方へ落ちる重さが加わって、さらに猫背を助長することになります。
猫背のままで歳を重ねていくと、骨粗鬆になってきた際に、一つ一つの背骨の前方にかかる負担が原因で、 「圧迫骨折」が起こりやすくなります。「圧迫骨折」は高齢者に頻発する骨折ですが、背骨の一つ一つがこの
「圧迫骨折」をしていくことで背中の丸みが進行し、もう
姿勢を元へ戻すことが出来なくなってしまいます。
つまり、猫背によってもたらされる様々なデメリットを改善することが出来なくなってしまいます
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